世間では「付き合ってはいけない三つのB」というのがあるそうです。青木さやかが言ってたのかな? さあ、その三つが何かというと、美容師、バンドマン、バーテンダー、だそうです。まあ、分からなくもないような気がしなくもないですが。

 先日、僕が美容院に行ったとき、ふとこの三つのBの話を思い出して、美容師は付き合ってはいけないのかを検証してみたので、以下、抜粋してご報告です。

 担当になった男性の美容師さんが僕に「趣味は何かあります?」と尋ねました。僕は「読書です」と答えました。美容師さんは読書をしなそうなタイプに僕には思えましたが、「最近はどんなの読みましたか?」と会話が弾むように質問をしてくれました。僕は「最近は『マロニエが咲く頃に』を読みました。最近テレビで特集してたんですけど、知ってますか?」と答えました。勿論、これは嘘です。そんな本は実在しません。すると美容師さんは「タイトルは聞いたことあります。何かの賞をとってましたよね?」と言いました。僕は「確か本屋大賞だったと思います」と答えました。これも嘘です。美容師さんは「もしかして王様のブランチでやってたやつですか?」と尋ねました。「そうですよ、意外と見れちゃいますよね、ブランチって」と答えました。

僕たちは半時間ほど鏡越しに嘘を吐き合い、笑い合っていたのです。果たして美容師さんは僕が嘘を吐いていたことに気が付いたのでしょうか? 僕は架空の話をするのがわりに好きなので、結構楽しめましたけど。あんなに自然に流れるように上手な嘘を吐かれるのは意外にも清々しいものですよ。誰も傷つかないですし。

 僕のささやかな結論としましては付き合ってはいけないと言うほどではないのではないでしょうか? 沈黙を嘘に含めるなら誰もが嘘吐きですしね。ただ、こういう悪戯を吹っ掛けるバンドマンはあまりお勧めしません。バーテンダーに関してはまたいつか検証してみたいと思います。