世の中は先週とか今週がお花見のピークなんでしょうか。生憎の雨の中、本日も徒花プロジェクトはレコーディング作業中です。スタジオだから天気は関係ないけど。新年度が始まりまして、新しい生活の中頑張ってる方もたくさんいらっしゃるかと思います。というわけで、本日は新生活応援キャンペーンで僕の妄想をどうぞ。「テラフォーマーズ」って漫画を読んでいましたので、今日はそんなテイストで。

 「テラフォーマーズ」はざっくり言っちゃうと、人間型に進化したゴキブリと昆虫や動植物の能力を持った人間とのバトル漫画です。例えば、スズメバチの能力だったら殴った時に致死量の毒を相手に刺すことが出来るとか、鳥なら飛べるとか、蛸とかイカとか軟体生物なら足が千切れても生えてくるとか、そんな感じで能力を生かして、ゴキブリを退治していく漫画なんですね。さあ、皆さんはどんな能力が欲しいですか? 憧れの動物や昆虫はいますか?

 強いかどうかは別として、僕は蝉が好きなんです。虫全般が苦手なはずなんですけど、蝉は許せるというか。蝉には何か特殊能力はあるのかなあってインターネットで調べていたんですが、蝉は日本では古来から和歌や俳句の中で「儚さの象徴」として優美なものとして扱われているんですね。それこそ桜とかと並べられているようです。蝉は37年程、地中の中で過ごし成虫になって外に居られる期間は約1週間くらいみたいです。なんて儚いんでしょうか。僕は蝉のそんな生き様に深く共感しているのです。蝉しぐれ、空蝉(うつせみ)、なんて格好いい言葉もありますよね。

 いつかの夏の終わりの夜、四国のコンビニエンスストアで関東のなんかより大きな蝉がひっくり返ってたんですね。死んでるのかなって思って、僕は普段なら絶対にそんなことをしないんですが、何となくサンダルのつま先で蝉の死体に触れたのです。蝉の死体はバルバルバルとその場を回転しました。それから何度か店の窓ガラスに頭をぶつけながらなんとか飛び立って、青い虫除け灯にぶつかったのです。バチッと音が鳴って辺りには青い匂いが漂いました。悪いことをしたなと思いつつ、それ以来、蝉がとても好きになりました。なんでしょう、あの最後の力を振り絞って飛び立つ感じが堪らなく愛おしいのです。例えば、死んじゃうとしても青い虫除け灯に飛び込まなきゃいけない時が男にはあるんだと僕に教えてくれたんですね。「一寸の虫にも五分の魂」って素敵な言葉ですね。僕的に訳すなら「蝉の死体にも一瞬のバルバル」ということになるんですけどね。全然応援キャンペーンにならなかったな。ま、明日も頑張ろうぜ。