旅行とか、遠くに出掛けると誰だって何か一つくらいお土産を買いますよね。僕も例に漏れずお土産を買うんだけど。特に今年の秋は徒花プロジェクトは地方遠征が多くて、栃木、三重、静岡、普段行かない街で普段買わない物を食べたり買ったりするわけです。
僕は誰にあげるか決めないでとりあえずお土産を買うことが多い。地酒かちょっとしたお菓子が多いかな、だいたい。買うときはうきうきしてるし、「○○にあげよう」とか「実家に持っていこう」とか色々思うんだけど、家に帰ってくると、そんな気持ちはすっかり飛んでいっちゃって、「あげようって思うけど、言い出すきっかけが分からないなあ」とか「渡しに行く体力がないなあ」ってなっちゃう。それで結局、賞味期限が残り一週間くらいになっちゃって、ちょうど甘いものが食べたくなってしまったりして自分で食べちゃうわけ。賞味期限の関係ないお酒を買った時は重くて持ち運べないのを言い訳にして、自分で飲んでしまう。なんなら、僕はお酒を飲まなくても平気なので、四月に買った沖縄のお酒がまだ部屋にあったりね……。
改めようとか、ちゃんと渡そうとか、話し掛けようとか、買うのをやめようとか特にそういうのは思わない。仕様がないんですよ。きっと治らない。お土産は買うことに意味があるのです。その土地で誰かが作って誰かが働いていて、僕がそれを頂く。それだけでいいんです。その土地の人の生活の足しになってくれればいいわけですから。
大事なのは僕が其処に行って素敵な気分になって財布の紐が緩んだってことですよね。退屈なもの、楽しくないことには人はお金を払わないでしょう?
だから、僕達も地方遠征をしてその土地の人がCDを買ってもらえることはとても嬉しいわけ。財布を出すひと手間だったり、家でインターネット検索するひと手間だったり、勇気を出して話し掛けてくれるひと手間だったり。そういうものがとても嬉しい。
お土産をあげるのは苦手だけど、もらうのは好き。嬉しいからね、お土産をくれるってことは旅先で僕のことを思い出してくれてるってことだからね。
ん? やっぱり、僕もちゃんとお土産を渡せるようになります(静岡で買ったおまんじゅうを食べながらこのコラムを書きました)。