環境をちょっと変えてみようかな、と深夜のファミレスで作業中。大学生くらいの男女4人が話しているのを僕は盗み聞きしているわけです。一人の女の子が「ねえねえ、好きな人の条件3つ言って」とiPhoneを眺めながら言う。「何それ、心理テスト?」と他の3人は楽しそうにしている。僕も一緒に考えてみる。やがて一人の男の子が「うーん、何だろ、価値観が合う、料理上手、優しい」と言う。「私はねー、考え方が大人な人、一緒に居て楽な人、自立してるとか?」と女の子が言う。もう一人の男の子は「俺、その心理テスト知ってる」と言って、条件は言わない。僕は確かにどれも大切だな、それなりに皆考えて生きてるんだな、と少し感心してみたりしている。

問題を出した女の子は「はい、はい」と相槌を打ちながら楽しそうに「じゃ、3つの条件が揃った人が2人居た場合、もう1個条件出すとしたら?」と問う。4人ともニコニコと楽しそうだ。「えー? じゃあもう顔じゃね?」と男の子。「んー、面白い人?」と女の子。問題を出した女の子と心理テストを知っている男の子は爆笑している。「正解はー、4つ目の条件が一番大事に思ってるんだって」とネタばらし。僕はなるほど、と思う。人に聞かせる用の答えを3つ言わせた後に、本音を絞り出させる的なクイズか、と理解する。少し離れたテーブルで「お前、結局顔かよー」と盛り上がっている。何とも深夜のファミレスみたいなノリである。さて、読者の皆様も一緒に考えてみてくれましたかね?

 僕はと言えば1つも条件を思い付くことが出来なかった。僕は好きな人に条件なんかない。ただその人が好きなだけである。彼らの言っていた条件はどれも大切なことかもしれないけど。価値観が合わなくても(そもそも他人と価値観が合うわけない気がしている)、料理が出来なくても(むしろ何でもしてあげたい)、優しくなくても、多分ただ好きでいると思う。「そのままでいいよ」と、「生きてるだけで嬉しいよ」と、僕はそう言いたい。そう言い続けられる自分でありたい。
それにしても、あの女の子のタイプから僕は外れてるなあ。心理テストの前提条件を覆すなんてどう考えても大人な考え方じゃないし、一人で暮らせているという意味では一応自立しているけど、嫌になって何処か行っちゃうかもしれないし。一緒に居て苦しいとは言われたことないけど、そんなのバイオリズム次第だし。ただ4つ目の条件が一番大事だとするなら、多分、そこの二人よりは確実に面白いぞ!ごきげんよう。