小豆島は本当は海がエメラルドグリーンで僕はその景色がどうしても見たくて出掛けたのに、結局はエメラルドグリーンの海と泥水が混じり合って出来た不思議な色の海を眺めていたのです。海水浴場の近くの道の駅みたいなお土産屋さんで、プラスチックのベンチやテーブルが飛んでくるのを見ていました。それから、傘立てをしまうのを手伝ったりお店の人と一緒にベンチが浮かないように押さえたりしていました。小豆島では日本酒を買って、僕の旅は続きます。島を周らなければならないのです。小豆島は結構小さくてわりとすぐに一周出来てしまいます。途中で山道を通るのですが、通行止めにはなっていないけど、倒木で通れなくなっていたりして、ここに居たらマジで死ぬかも、と早々に撤退を決意したのです。山の上から眺めたドブ色の海を僕は忘れません。余談ですが、僕が見たかったエメラルドグリーンの海は恋人の聖地的なスポットみたいで、晴れてる時に行ったら、また別の地獄だったのかもしれません。やっぱり人生って地獄巡りだよね。小豆島はそーめんが有名みたいなのですが、高松で散々うどんを食べていたので、なんとなく食べる気にならずに戻ってきてしまいました。島でのドライブ中に、郵便局員さんがバイクに乗っていて、危ないから今度にしなよって思いつつ、誰かの為に働いてて偉いなっていう謎の感想を持ちました。きっと誰かが誰かの為に頑張っていて、そのお陰で僕は良く分からない台風の中、旅を続けられたんだろうなって、感謝の念を持つことが出来ました。特にこれと言って出来たことはないんだけど、やっぱり行かないより行く方がいいよね。人生は行動あるのみだね。僕は色々考え過ぎちゃって何にも出来なくなってしまうことが多いけど、また頑張ろうって。

 帰りのフェリーでは、じーっと海を眺めていました。高松に戻ってからは商店街を散策しました。片原商店街ってところ。よく分からないし、ほぼシャッター閉まってたけど。延々とうろうろしていました。その時がすごく気分がよくて、人生の中でもかなり気分がいい瞬間で、鼻歌を歌っていました。あ、これ、なんかいい曲になりそうって思って、車まで戻ってギターをガサゴソいじって、軽くコードを確認しておいて。ね? 役に立つと
きもあるんだよ。高松最後の夕方は良く分からないけど名店っぽい雰囲気のお店で肉うどんを頂きました。香川のうどんは一番安くて百五十円くらいで食べられるので、リーズナブルに色々楽しめると思いますよ。この後、愛媛と高知にも行くのですが晴れてしまったので、その話はまたいつか。また行きたいな、四国。御機嫌よう。