僕はこう見えて(どう見えているかは定かではない)あまりお酒が強くないのです。と言うか、一滴も飲まなくても割と大丈夫なんですね。事実、家では一滴も飲まないです。普段、バーだとかライブハウスだとかで赤ワイン飲んでるところとか、電気ブラン飲んでいるところを見掛けられているので強そうなイメージが付いてるんですね。ビールだったらグラス半分も飲めばベロベロですし、赤ワインや電気ブランならは二口でベロベロですね。ただ、その後が長い。あんまり潰れずにずーっと飲んでられる。酔ってるから味とか関係なくなるし、酔ってるから酔っていることにすら鈍感になっている。そして、お酒が進めば口が悪くなってくるし、夜には強い方だから、結果お酒に強そうに見えるんですね。まあ、あとは負けず嫌いだったり、一気飲みが意外と平気だったりするので強く見えるんでしょうかね。お酒が特別に好きだというわけではないのですが、今週は人生で一番美味しかったお酒について書いてみたいと思います。いや、なんか前置きが長くなっちゃったね。
結論から言うと、眞露の水道水割りにレモンを添えたものです。所謂、水割りだね。この眞露の水割りが一番美味しかった、正確には、一番僕の記憶に残っているんです。大学時代にジャズ研究会の合宿で苗場のホテルに連泊するのですが、僕は他の学校のジャズ研も掛け持ちしていたので、その年は10泊も苗場の同じホテルに泊まっていたのです。毎日毎日ほとんど練習してばかりでずっと部屋の中に居ますし、当然、ホテルのオーナーやスタッフの方とも親しくなっていくわけです。やはり、8泊目くらいから寂しくなっていくわけ、情がどんどん沸いていくから。同じ場所に留まると思い出が増えていってしまうから。それに、僕は他の子達よりも可愛がられていた。まあ10日も泊まってくお客さんなわけだから当たり前なんだけど。
ホテルのオーナーが眞露の水割りを作ってくれたんだ、誰も居ない夜中の食堂で。それから、ジャズの話、合宿での成長の話、苗場の話、将来の話やオーナーの昔話。薄っすらテレビから流れてくるサザンオールスターズ……。あの暗い食堂でオーナーと二人で飲んだ水割りが一番美味しかったな。また飲みたいな、あの水割り。残念ながら、そのホテルはもう営業していないんだけどね。
ねえ、でも、僕はまだ音楽を続けているよ、オーナー。