このコラムでも時折触れてきましたが、僕は一人旅が好きなのです。基本的には車移動が好きなのですが、自分の好みも少しずつ変化していますね。今の僕は電車、バス、普段自分が乗らない乗り物に興味が沸いてきたわけです。その中でも最近の僕のホットスポットは空港です。今回は空港と飛行機について書いてみたいと思います。

 初めて飛行機に乗ったのは高校二年生の時の夏休みで、当時、吹奏楽委員会(部ではなく何故か委員会だった)で多忙だった僕の為に、母がチケットやら空港までのバスの予約などしてくれたのでした。反抗期が長引く中、息子の楽しみ(サザンオールスターズのライブを観に行くために福岡まで飛行機だとかホテルだとか……)に投資してくれたお母さんありがとう。読んでるか分からないけど、そういう体験の一つ一つが今の僕を作っていると思います。

と、いうわけでなかなか本編に入れないのですが、空港ってある人にとっては「旅の始まりの場所」だし、また他の誰かにとっては「さよならの場所」だったりするわけでしょう。なんか、そういうことを考えていたら空港で飛行機を待っている人が愛おしく思えてきたんですよね。荷物検査で引っかかってる人にだってドラマがあるはずですよね。特別なさよならがなくたって、その土地とさよならをするわけだからね。最近は、飛行機のチケットが滅茶苦茶安いみたいです。荷物の量とか席の指定とか色々条件をクリア出来ればですが。僕みたいな妄想でも旅行できるタイプの人間は飛行機のチケットとか行き先や値段を検索しては楽しんでいますね。

 初めて飛行機に乗った時、耳がキーンと痛くなって押さえていたら隣に座っていた大人のお姉さんがフリスクをくれました。「これ舐めて唾飲んだら楽になると」と言ってたから、そのお姉さんにとっては帰り道の飛行機だったんじゃないかな、と今になって思います。その後は別に何を話すわけでもなくて、お互いに静かに飛行機に乗ってるんだけど、その程よい距離感が心地よかったのを未だに覚えてますね。そして、そのお姉さんの優しさがあったから僕は飛行機や空港を好きでいられるんですよね。ニュースとかで福岡の話が出てくるとそのお姉さんを思い出します。名前も知らないし、顔も思い出せないけど、元気に暮らしてるといいなって。

 今週はこんなところで。