祝!セカンドシングル『愛と平和』発売記念ということで、今回のコラムから何回かに分けて各曲のレビューをしていきたいと思います。ところで、これを書いている八月現在は非常に暑い日が続いております。コラムを読んでいる皆様は水分補給をしっかりとして頂いて、どうぞ猛暑を乗り切ってくださいね。

 さて、タイトル曲『愛と平和』ですが、我々徒花プロジェクトは自分たちのことを『愛と平和のキャバレーバンド』と謳って活動しているので、一回ね、しっかり愛と平和についてしっかり考えてみようっていうのがこの曲を書く時の入り口になってるんですね。因みに僕はこのキャッチコピーが結構気に入っています。「愛と平和のキャバレーバンド、徒花プロジェクトでございます」って言われてもなんのこっちゃ分からないところが非常にいいのです。まあ、そんな話はこれくらいにして、去年の夏頃の話です。

 そう、去年の夏、僕は全く元気がなくて、それこそ蝉の死体のように生きていたわけです。もう何にもやる気が起きない。元気がない。体に力が入らない。曲も書けない。詞も文章も書けない。唄う気力もない。本も面白くないし、お笑いも観てられない。ご飯も何を食べても美味しくない。何にも出来なくなってしまったのに眠れないという、個人的には非常に辛い時期でした。「愛と平和の~」って自分で言いながら愛と平和から最も遠いところにいたような気がします。何処までも空っぽで、唯一の楽しみが夕暮れを眺めることだけでした。なんというか、きっと一日が終わるのだけを楽しみにしていたような日々でした。そんな日々を送っていたところ、昔からの友達から「今日久々にコラムを読み返してたよ、私も色々(ここには書かないけど結構辛い出来事)あったけど、早く生で徒花を観て元気もらいたいなあ」的なメッセージを貰って、それを機にちょこちょこ近況報告とか連絡を取り合ってたんですね。僕はその人の話をもっと聞きたいと思ったし、優しくしたいし励ましてあげたいとやっぱり思うわけです。人に優しく接している間だけは、自分の痛みや虚無から少しだけ離れられている気がしたのです。もっと大袈裟に言っちゃえば、生きてる感じがしたんですね。そして、僕は「人は自分の為に生きるんじゃなくて、人に優しくするときに本当に生きていることになるんだな」的なことを考えていたのです。それで、今は書けないかもしれないかもしれないけど、そういうことを詞に書けたらいいなっていう思いになっていったんです。次回に続きます。