さて、長い長いセルフレビューも終わりまして一体これからどんなことを書いていけばいいのかなあなんてアイスコーヒーを頂きながら考えているわけですけれど。これを書いている現在は十月の中頃で、僕は秋に蝕まれているわけですけれどね。最近は台風の被害が各地で酷くて、特に千葉県や川の近くのエリアの方々が心配です。そして、心配しているような僕も浸水したエリアに住んでいたりで、少々大変な思いをしたのですが。そうだね、今回は台風について書いていきましょうかね。

 もう六年くらい前でしょうか。九月の初めに四国に一人旅に行ったんですよね。今となっては僕がどうして四国に拘っていたのかももう分からないのですが。その時はどうしても四国に行かなくちゃいけなくて、他の場所では駄目だったのです。関東を出発し、関西圏に突入する度に雨が強くなっていきます。台風はいつも西からやって来るから。当時の僕は天気予報なんて気にする方じゃなかったし、雨に濡れたらそれはそれでいいじゃないかってタイプだったので、特に対策もせずに徳島方面に向かっていきました。雨は強くなったり弱くなったりで、車の運転に支障が出るほどではなく、八時間ほどで淡路島へ。僕は淡路島のサービスエリアが大好きなんです。緑色に光る観覧車があってそれをぼんやり眺めて、一時間。さっき渡ってきた明石海峡大橋の神戸方面の街の明かりを眺めて一時間。肉うどんとかシュークリームとかを食べながら日記を書いて一時間。僕はそんな感じでだらだら一人旅をするのです。楽しそうな家族の会話をノートに書き起こしたり、関西弁の研究をしたりするわけです。

 夜の間はサービスエリアで仮眠をして、車の中で読み掛けの村上春樹の小説を読んで過ごしていました。朝になると、雨は強まっていたのですが、もう感覚が麻痺していて車の窓を叩く雨音も心地よく感じられていたのです。土砂降りの淡路島を探索です。平日昼間の淡路島、しかも土砂降りで夏休みも終わっているということもありまして、人はほとんど居ませんでした。海沿いまで行くのですが、滅茶苦茶怖い。道路も通行止めするほどではないけど、所々冠水していたりして。一歩間違えたら死んでしまうんだなあって。そんなことを考えていたのです。死は日常の少し先の方に待っているんだな、なんて格好いいことを考えながら、とてもじゃないけど観光なんて出来る雰囲気でもないので、地元の人が行くデパートを散策してきました。淡路牛乳とか飲んじゃったりして。観光客用のお土産ではなく、実際に現地の人が飲んだり食べたりしている物っていいですよね。外を自転車で走っている高校生を見つけて、その子は合羽を着ていたけど、そんなの意味ないくらいに濡れてて、関西の人は台風に強いんだなあなんて呑気に思っていたけど。僕の台風旅行記はまだ続きそうです。御機嫌よう。